最近疲れが取れないと感じている方は、脳疲労が原因かもしれません。
そのメカニズムをお話ししましょう。
大脳は、大脳皮質、大脳辺縁系、脳幹の3つから成り立ちます。大脳皮質は理性、大脳辺縁系は感情、脳幹は生命の維持をつかさどります。脳幹の一部である間脳は自律神経をつかさどっていますが、大脳皮質と大脳辺縁系の影響を受けやすい器官でもあります。
パソコンやスマホの使用は、目から入る膨大な量の情報を処理することになるため、大脳皮質を酷使し疲労が蓄積していきます。大脳皮質に疲労がたまると、大脳辺縁系にも悪影響が出ます。すると間脳も刺激され、自律神経のバランスが乱れやすくなります。一般的な脳疲労はこの状態のことをいいます。
また逆に、自律神経を酷使することによって、脳が疲労する場合もあります。
たとえば、急激な温度変化がある環境。自律神経は、暑い時には汗腺を刺激して汗の分泌を促して体温上昇を防いだり、寒い時には血管を収縮させて体温低下を防いだりと頻繁に体温調節を行っています。つまり気温差が大きい場所では自律神経が酷使されるため、その分疲れがたまりやすくなります。自律神経が存在する脳にも影響が出るため、脳疲労の状態となるのです。
脳が疲労すると、身体の疲れもとれにくくなります。自律神経の副交感神経の働きが低下するため、身体が十分な休息をとれなくなるからです。 また脳疲労状態が続くと判断力や注意力を低下させるので、仕事や家事のパフォーマンスを大きく損なうリスクが高まります。
このことから、屋内外の気温差が激しい夏は脳疲労が起こりやすく、また脳疲労の回復には、自律神経を整えることがとても大事だということが分かります。ストレスを減らし、規則正しい生活や良質な睡眠を心掛けることで整っていきますが、ふだんの生活を送っている中ではなかなか難しい。。。そこで鍼灸の出番です。
鍼灸というと、肩こりや腰痛の治療を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は自律神経を整えることも得意です。頭の筋膜を緩めてリラックスへ導くヘッドマッサージと合わせることで、相乗効果を発揮します。定期的に自律神経をケアすることで良質な睡眠がとれるようになり脳疲労をリセット、体調やパフォーマンスをアップさせることができます。ご自分のペースで定期的に自律神経と脳疲労のメンテナンスをしましょう。