「不妊治療を止めた途端に授かりました!」という話、不妊治療や妊活をしている知人やSNSでしばしば耳にすることもあるのではないでしょうか。「ARTを止めたら自然妊娠した」とか「妊活お休みしていたら自然妊娠した」というものです。
不妊治療を止めて授からなかった人は語りませんし、そもそも調査して統計をとったものではないので、確かなことはわかりません。しかしながらこうして度々語られている以上は単なる偶然と切り捨てず、何かしらの背景があるかもしれないという前提で、ここでの話を進めたいと思います。
たいていはやはり「不妊治療→ストレス→悪」と受け止められているように感じます。「不妊治療を受けることによるストレスから解放されたことで、心身がリラックスし、それが妊娠につながった」という見方です。
一方で、信頼できる医療従事者やパートナーに支えられて、前向きに取り組んでいる例もよく聞きますし、そもそも必要があって治療を受けているわけですから、すべて不妊治療によるストレスのせいにしてしまうのも、ちょっとおかしいようにも感じます。
そこで「不妊治療」とひとくくりにするのではなく、少し分解して考えてみると、ストレスにあてはまる部分が出てきそうです。
例えば、“妊娠のために”と自分に課してきた「さまざまな努力や頑張り」だったり、その「さまざまな努力と頑張りがなかなか成果(妊娠)に結びつかないこと」だったり、「生理周期に翻弄されてどんどん治療が進んでいくことのアンコントロール感」だったり、もっとシンプルに費やすお金や時間のこと、パートナーとの妊娠に対する温度差。。。などなど、もっともっといろいろと出てきますよね。
ここではまず、“妊娠のために”と自分に課してきた「さまざまな努力や頑張り」について考えてみたいと思います。(アンコントロール感については、また別な機会に書いてみたいと思います)
特に食事や生活習慣は毎日のことなので、一つひとつは些細なことかもしれませんがチリツモ的に日々溜まっていきます。たとえば、好きな食べ物やお菓子を我慢する、お酒を断つ、あまり好きではないけれどヨガや運動に励む、基礎体温を毎日記録し続ける、排卵のタイミングに合わせて性交渉をもつなど。。。
もちろん、健康的な食事、適度な運動などの生活習慣が妊娠しやすさに影響するという傾向は統計的に報告がありますし、基礎体温の記録が役立つこともあるでしょう。しかし、それらはあくまで“傾向”であり、妊娠の絶対条件ではありません。
もし自分を追い込みすぎる努力や頑張りをしているとしたら(まじめで頑張り屋さんが陥りやすいのですが)、自分を苦しめ、むしろ妊娠から遠ざかる要因になってしまうこともあるのではないでしょうか。逆に、好きなものを食べ、楽しいと感じる時間を過ごし、時には何もしない日をつくり、リラックスすること・・・努力や我慢の先に妊娠があるのではなく、心身が心地よく、自然体でいられることこそが、妊娠に結びつきやすいともいえるのではないでしょうか。(もちろん、それまで努力されてきた取り組みが、たまたま不妊治療を止めたタイミングで実を結んだということもあるでしょう)
つまり「あきらめた途端に授かった」ということから学ぶことがあるとすれば、「~しなくちゃ」という自分を追い込みすぎる取り組みをやめてみようことになります。確かに妊娠しやすくなる「努力や頑張り」も大切ですが、定期的にチートディを作ってガス抜きしたり、自分の心と身体が心地よく感じることを大切にし、無理をせず、できるだけ楽しみながら過ごすことで、本来の自分を取り戻すことも忘れないようにしてくださいね。









