妊活ってどうやって始めるの?
「赤ちゃんが欲しい」と思った時が、妊活のスタート地点です。
多くの方は、まずは自分達でタイミングを頑張ると思います。何度かトライした後、クリニックに行くことを考える方が多いのではと思います。
妊活は、時間との勝負です。
避妊をせず1年経っても妊娠しない場合を「不妊」といいますが、妊娠を希望している場合は、1年も待つ必要はありません。
これは、卵子の老化が絡む年齢だけの問題ではないと思います。
若い方でも「できるだけ早く子供が欲しい」というお気持ちでしたら、一日も早く授かりたいものです。また、健康にみえても、もしかしたら妊娠を阻む要因が隠れているかもしれません。
1. 正しいタイミングの取り方を知る→正しい排卵日を知る
2. 自分たちの身体の状態が、自然妊娠が可能かチェックする→検査を受ける
このふたつをなるべく早期に実践しましょう。
検査は、妊活に先行してやっておかないと、あとから検査して問題がわかった場合「それまでの頑張りがムダだったの?」となってしまいます。早めに検査を受ければ、もし問題があった場合は早めに手が打てます。
「頑張り」を正しい方向に向かってすることが、できるだけ早く授かる近道だと思います。
正しい排卵日を知る
- 月経周期…月経周期が整っている場合、高温期はだいたい14日間程度なので、次の月経開始日予想日からある程度予測することができます。
- 基礎体温…基本的には基礎体温だけで正確な排卵日を把握することはできません。後から振り返って排卵日を推測するだけです。しかし低温期と高温期の状況から、ホルモンの働きの状態を知ることができます。
- アプリ…月経日や基礎体温を入力すると、次の月経予定日や排卵日を予測してくれます。
- 市販の排卵検査薬…排卵前のホルモン変化を尿から予測する検査薬です。
- 頸管粘液(おりもの)の変化…排卵日前になると、頸管粘液の量が多くなり糸を引くような性質に変わります。
- 経腟エコー検査…クリニック等で卵胞の発育状況をチェックしてもらいながら、タイミングの指導を受けます。月経不順の方や、セルフでタイミングを取ってみてもなかなかうまくいかない場合に、おすすめの方法です。
セルフでタイミング法を行う場合は、これらを組み合わせて正しい排卵日を推測しましょう。
検査を受ける
さて、自然妊娠が成立する最低条件は何でしょうか?
まずは卵子と精子が出会うこと。と考えてみると、
1. 排卵が行われていこと
2. 卵管が通っていること
3. 精子が正常であること
これらの3つが最低条件です。
そして、これらの機能をチェックする検査は、
- ホルモン検査…血液を採取し、エストラジオールや黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチンなど、妊娠に必要なホルモンが適切に分泌されているか調べます。
- 子宮卵管造影検査…子宮の形態や卵管の通過性をチェックする検査です。造影剤が通る際、卵管をお掃除することにもなるので、この検査後は卵管の通りがよくなるという治療的側面もあります。
- 精液検査・フーナーテスト…精液の濃度、運動率、形状などを調べます。フーナーテストは、精子と頸管粘液の適合をみるものです。
これらの検査は保険診療の対象なので、ご主人の協力を得ながら、早めに受けておきましょう。
また、保険適応外ではありますが、AMH(抗ミューラー管ホルモン)値も調べておくとよいでしょう。(体外受精をおこなうためのAMH検査は、保険適用です)
AMHとは、卵巣にある発育中の卵胞から分泌されるホルモンで、発育できる卵子の数の目安(卵子予備能)になります。この値が低い人は、卵巣に残された卵子数が少なくなっていると考えられるので、妊活のステップアップなどを考える目安にもなります。
そもそも、妊活のその前に知っておきたい、生理のこと
女性には毎月生理があります。当たり前のこと過ぎて、あまり意識されていないかもしれませんが、生理が順調にくるということは、とても大切なことであり、その生理の状態で妊娠力をある程度は推測することはできるとも言えます。
量は、多い?少ない?
経血は、赤い?赤黒い?塊はある?さらさら?ドロッとしている?
生理痛は、弱い?強い?薬を飲まないと我慢できない?
周期は、どのくらい?定期的にきている?
排卵期のおりものの変化は、わかりますか?おりもの自体よくわかりませんか?
なかなか人と比較することがないので、自分の生理の状態を客観的に把握するのは難しいかもしれませんが、まずは毎月きちんと観察してみましょう。
生理については、また後日詳しく書きたいと思っていますが、生理痛については以前のブログに詳しく紹介しておりますので、参考になさってください。
妊活のためのセルフケア
おうちでできる、ツボを使った簡単セルフケアをご紹介します。
ワンタッチでできるお灸で、妊娠に備えて身体を整えていきましょう。
ツボは身体にたくさんあるので、ついいろいろとやりたくなってしまうかもしれませんが、一度にたくさんのツボにやるより、毎日コツコツと続けることの方が効果的です。
今回は厳選してこのふたつをご紹介します。
三陰交
骨盤内の血流を良くし、生理の状態を整えたり、むくみや冷えにも効果的。
足三里
胃腸の働きを整え、栄養の吸収をサポートしてくれます。
お灸のやり方については、以前のブログに詳しくご紹介しております。ご参考になさってください。
あらためて、睡眠習慣を見直そう!
毎日の睡眠時間はどのくらいですか?
何時に寝て、何時に起きてますか?
ぐっすり眠れて、朝はスッキリ起きられていますか?
「食」と同じように「睡眠」も大事です。
さて、妊活と睡眠、どういう関係があるのでしょうか?
睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンは、体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠を切り替えて、眠りを導入する作用があります。また睡眠をコントロールしているだけでなく、強力な抗酸化作用によって細胞を活性酸素から守る働きがあることが分かっています。
最近の研究結果から、卵胞の発育に伴って卵胞液中のメラトニン濃度が高くなり、卵胞の発育をもサポートし守っていることがわかっています。メラトニンの抗酸化作用により、卵子の質が改善され、その結果胚の質が改善されたり、受精率が上昇したりしているのです。つまり睡眠の質が、卵子の質と密接に関係しているということになります。
このことから、普段から十分な睡眠時間の確保(最低でも6時間以上)、かつ睡眠の質を高めるように心がけることが大切だということが分かります。何より健康のベースアップと一日のパフォーマンスアップにつながりますね!
メラトニンの材料はタンパク質ですから、食事からタンパク質を摂ることも大事です。またメラトニンは、朝に日光を浴びるとその14〜16時間後に生成されることがわかっています。なので、朝日をキチンと浴びて、朝食でタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。
寝る1時間前にはスマホやテレビは止めて、ブルーライトを目に入れないようにするのも、スムーズな入眠には大事なことです。
毎日の何気なくやってしまっている生活習慣ですが、改めて見直して「睡眠」の優先順位を上げてみてください。ほんの少しの心がけで、よりよい睡眠習慣が身につき、妊活にもプラスに働きます。