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生理痛を緩和するセルフケア

毎月やってくる生理のたびに痛みを感じていませんか?
生理痛と上手につきあっていくための、無理なく、ラクに、快適になるセルフケアをご紹介します。

生理中は、はがれ落ちた子宮内膜を経血として体の外に出す「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。マヨネーズのようなチューブをぎゅーっと押す力がプロスタグランジンの働きで、多少の痛みは生理的な現象といえますが、プロスタグランジンの分泌が多いと、体の外に出すときの子宮の収縮が強くなり、強い痛みを感じます。これが生理痛の正体です。

プロスタグランジンは、子宮だけでなく体内の血管や胃腸も収縮させる作用があります。
子宮の周りの血流が悪くなり骨盤内の血行が悪化しやすくなることで、腰痛が強く出ることがあります。また胃腸症状としては、胃痛やムカつき、下痢、食欲減退などがあらわれることもあります。

それが寝込んでしまうような痛みで、仕事や学校、家事を休んでしまうようになるなど、日常生活に支障を及ぼすようになると、「月経困難症」という病気の領域に入ります。
まれに子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることがあります。生理の度に痛みを我慢している人や鎮痛剤を飲まなければやり過ごせない人は、一度受診して病気の有無を調べておきましょう。原因疾患が見つからない場合でも、痛みを緩和する方法はいろいろあります。生理痛を我慢して耐える必要はありません。

セルフケアでできることから取り組んで、毎月訪れる生理中も快適に過ごしましょう!

対策 1. マグネシウムをしっかり摂る

カラダに不可欠な必須ミネラル、マグネシウム。筋肉や血管を緩める作用があり、逆にカルシウムが収縮させる作用があり、お互いに拮抗して働きます。つまり、カルシウムが多くなると子宮が収縮しやすくなり、生理痛を起こしやすくなるのです。普段からマグネシウムとカルシウム、バランスを意識して摂るようにすることが大切です。

理想的なバランスは、カルシウム2:マグネシウム1。しかしほとんどの人は、このバランスが崩れています。特に乳製品はカルシウム10に対してマグネシウム1などの比率になっているので、積極的に摂ってしまうとバランスが崩れやすくなります。

なるべく乳製品や加工食品を控えて、マグネシウムが多く含まれている海藻類やナッツ類、豆類を積極的に摂るようにしましょう。手軽にマグネシウムを摂るなら、「ニガリ」がよいです。スーパーなどに売っていますから1日20滴くらいまでを目安に、お茶やみそ汁などに入れて摂るとよいでしょう(摂りすぎると下痢することがありますので、適量で)。

特におすすめしたいのは、「エプソムソルト」という入浴剤を入れたぬるめのお風呂に長めに浸かること(20分程度以上)。ソルトとありますが、塩ではなく海水に多く含まれる硫酸マグネシウムです。マグネシウムを皮膚から吸収できますし、ゆっくり浸かればリラックスして血流もアップ、しかもカラダも芯から温まるという一石二鳥三鳥の効果が得られます。

対策 2. 冷え体質を改善しましょう!

冷え体質は痛みを増悪させます。お灸とツボを使ったセルフケアで冷え体質を改善していきましょう。
まずはできるだけ毎日(少なくとも週3日)、1ヶ月ほど続けてみると、確実にカラダが変わってきていることが分かるようになると思います。
お灸の詳しいやり方については、以前のブログに詳しくご紹介しておりますので、参考になさってください。

湧泉
足の指でグーをした時に、足底で一番へこむところ。

三陰交
内くるぶしの一番高いところから指幅4本分上、骨際のくぼんでいるところ。

失眠
足底で、かかとの真ん中にあります。

足三里
ひざ下にある外側のくぼみから指4本分下。押すと筋張っていたりずんと響く。

対策 3. とにかく身体を温める!

無理のない範囲で体を動かす
生理痛がひどいと、じっと丸まってやり過ごそうとしがちですが、血流が滞りますます痛みが悪化します。つらいときは身体を休め、動けそうなら、軽いストレッチやウォーキングなどで身体を動かして、血流を促しましょう。

体を内と外から温める
冷えが強いとプロスタグランジンの分泌量が多くなり、また血流がよくないと下腹部に滞留しがちになり、痛みが強くなります。温かい飲み物や食べ物で身体の内側から、ひざ掛けや腹巻、レッグウォーマー、カイロなどで外側から、身体を温めましょう。先にご紹介した「エプソムソルト」入りのぬるめの湯船に長めに浸かるのもおすすめです。

鍼灸もひとつのチョイス

セルフケアというと、自分でするものと思いがちですが、鍼灸に身をゆだねるのも自分を慈しむという意味でセルフケアの一環です。
もちろん、鍼灸も生理痛をカバーしています!
痛みそのものへのアプローチはもちろんですが、自律神経や全身バランスを整え、生理痛の原因となっている東洋医学でいうところの「瘀血」や「冷え」体質改善へと導きます。
子宮内膜症や子宮筋腫を、なるべく薬や手術に頼らず自分で改善したい方も、是非お試しください。